神戸は桜が満開です。
この桜を見ることなく、先日、叔母が亡くなりました。
91歳の大往生でした。
家族葬だったので、ほんとうにこじんまりとしたものでしたが、
久しぶりの親戚に会えて話が弾みました。
こういう席で、弾むというのは不適切かもしれませんが、
小さいときから知っている従弟に
「おっさんになったなあ」と言うと
「あんたもおばはんやん」と言われ
遺影の前で、笑いました。
亡くなった人はみんなを集めてくれます。
みんなで叔母の話をしていると、私の知らない叔母が、たくさん出てきました。
そりゃあそうですよね、姪っ子ですもの。
お正月に会うか会わないか程度です。
叔母には、はじめてのアルバイトを世話してもらったり、
服など買ってもらったり、私は、いろんなものをもらいました。
でね、しばらくすると「あれ返して」と言うんです(笑)
びっくりしますが、悪びれる様子も何もなく気が変わったからと、あっさり言うんです。
今から思うと、非常に表裏がなく好きなことをして自由に生きた人でした。
ゴルフが好きで、旅行も大好きで、服もいっぱい持っていました。
亡くなってから、遺品の整理に行きました。
ほとんど袖を通していない服もたくさんありましたが
どれも私の趣味ではなく、黒のカーディガン1着とマフラーをもらってきました。
「返して」って言われへんかなと思いながら。
『置かれた場所で咲きなさい』の著者、渡辺和子さんがこう言われました。
「一生の終わりに残るものは、自分が集めた物ではなく、与えたものだ」
叔母が与えてくれたもの
『遠慮のない愛』
花冷えの季節、さっそく使わせていただきます。
叔母は長寿でした。残念ながら手相は見れなかったのですが恐らくは、生命線はとて長くしっかりしていたのではないかと思われます。
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