手相とUMIカウンセラーの國本ひろみです。ちょっとぐらいいいじゃん、という小さな罪が重なってとんでもないことになる、という話・・・
UMIって、被害者も加害者もないというゴールがあるのですが、
中には、虐待や、モラハラや、いじめなど、
もっと言うと死に至らしめる事件になると、
被害者の何ものではないか!
というのがあります。
そんなとき、思い浮かぶのは
去年の9月に放映されたTVドラマ「乱反射」です。
ご覧になりました?
原作小説は貫井徳郎。
後味が悪い?で有名な作家さんです。
主演は、
妻夫木聡演じる新聞記者の夫と、妻 井上真央。
子どもは2歳。
妻役の井上真央 は
仕事をしながら、育児家事をやりくりし、お義母さんの病院に、通う日々です。
「なんで私ばっかりなの!?」
夫にブツブツ言いながら、ベビーカーを押して病院を出たら、
タクシーが来ない。
ああ、なんかわかるなあ。
2歳児連れての病院通い。
今日はタクシーで帰ろうと思ったら来ない。
ややこしいぞ!ベビーカーでバスに乗らなくちゃいけないのかーー!
と、私なら思う。
すると、
強風が吹き、街路樹が倒れた!
2歳の息子が下敷きなり、誰かが救急車を呼んでくれた!
しかし
受け入れ先がない・・・!
亡くなりました。
こんな衝撃的な幕開きに、
私は凍り付いてしまいました。
強風!?
なんで倒れるんだ!?
納得がいかない妻夫木聡演じるお父さんは、この原因を徹底的に調べあげようとします。
倒れた原因は!?
メンテナンスはしっかりしていたのか?
すると、ひとつひとつ浮かび上がるのは
裁判にもならないような、それぞれの小さな罪です。
実は・・・
街路樹のメンテナンスの日、
娘に人生を否定された女性が、ボランティアに生きがいを見つけ、仲間とともに街路樹伐採反対運動のデモをして、メンテナンスを妨害した。
↓
近所を散歩するおじいさんの犬が、木の下でウンコ。
おじいさんは、腰が痛くて、ウンコ拾えずそのまま放置。
↓
市の職員が、掃除に向かうと、子どもたちに馬鹿にされ
「ウンコのために、市役所入ったのとちがう!!」
イラッとして、糞を放置する
↓
メンテナンス業社が再度行くと、極度の潔癖症の担当者は、犬のウンコ見て、ろくに樹木の検査ができない
↓
樹木の異常を確認できず、強風で倒れて、たまたま通りかかった2歳児のベビーカーを直撃。
↓
病院に搬送されたけど、めっちゃ混んでて
↓
というのも、大学生が「夜間なら空いてるし~」
とSNSでつぶやいたために、軽度の風邪の学生が夜間診療に殺到
↓
バイトの内科医だったので、忙しすぎて、手が回らず
また、責任追いたくなくて断った。
↓
妹にコンプレックスをもち、妹の希望で買い替えたSUVを乗りこなせない姉が
路駐したため、道が混み渋滞。
救急車の到着遅れる。
↓
↓
↓
子ども亡くなる。
これはいったい誰のせい?
妹にコンプレックスとか関係ないし!
大学生なにしとんねん!!
ウンコもってかえられへんねやったら、飼うなーー!!
と言いたくなりますよね。
それぞれの小さな罪が重なりあい、それが、悲劇に結びついています。
じゃあ、このお父さん(妻夫木聡)は、
日々正直に暮らして、なんにもしていないかと言えば
ドラマの最初のシーンで、
家族3人楽しくピクニック行った帰りに
そのゴミを、公共施設のゴミ箱に捨てるというのがあるんです。
最後のシーンでも、やはり家庭ゴミを捨てるんですが、そのとき、彼は周りを伺います。
悪いことをしているという自覚があるのですね。
でも、やっちゃう。
これぐらいいいじゃん、て。
自分の起こしたその行動は、誰かの人生を狂わすかもしれない。
思いもよらぬところで悲劇に加担しているかもしれない。
誰一人として悪気はなくてちいさな罪が集まって
2歳の男の子の命が奪われた。
ドラマですが胸が苦しくなります。
9月21日よりユーロスペース渋谷にて1週間限定公開されるそうです。
機会があれば、ぜひ見てみてください。
原作本はこちら。
私たちは、知らないところで、誰かの人生のどこかに登場し、何らかの影響を及ぼし、及ぼされている。
加害者になり、被害者になり。
加害者になろうなどとは、これっぽっちも思っていないのに・・・。
真夏に、冷や汗かく物語です。
著者について